Archive March 24, 2020

ITエンジニアのための企画力と企画書の教科書

ITエンジニアのための企画力と企画書の教科書   https://www.amazon.co.jp/dp/4839970262 マイナビ出版 2020年3月発行 DTP制作、編集協力にてお手伝いいたしました。 企画力でエンジニアの人生は変わる! 「たかが企画で人生が変わるもんか」? いえいえ、高い企画力は人生を変えます! 本書は、エンジニア向けの企画書の書き方をテーマにしています。 なぜ、そのテーマを選んだかというと、エンジニアが企画力を手にすれば、「鬼に金棒」だと筆者が考えているからです。 周知のとおり、昨今、多くの会社でITという強力な武器を活用しています。ITそのものをビジネスにしている会社も数多くあります。そして、会社ではいろいろな場面で「企画」が採用されています。 しかし、技術を理解していない人が技術を活用した企画を作ると、「おいおい、これはどうやって実現するんだよ」なんて思うような企画が出てくることもあります。 技術を分かっている人間が、企画を理解し、会社やビジネスを動かすような企画を立てられたら、かなり現実的で効果が出るような企画を作れると思いませんか? エンジニアは技術を知っています。ビジネスも技術を通してなんとなくわかっています。 次は、その技術をビジネスに生かす表現方法を理解すれば、技術とビジネスを活用できる鬼に金棒な存在になれるのです。

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海外のニュースから:イギリスで高校・大学における生理用品の無料提供がスタート

日本では生理用品が消費税10パーセントということで「必需品なのに、贅沢品あつかい?」という話題が最近ありましたが、2020年1月19日付けのニュースで、翌週よりイングランドの小中学校、大学でタンポン、生理用パッド(ナプキン)、そのほかの生理用品が無料で配布可能になることが報じられました。これは教育省のファンドスキームによって可能になりました。 この新しい制度は、昨年発表された政府の「period povery——生理に関する貧困」をなくすために小中学校へ生理用品の資金を支払うというコミットメントに従ってスタートするもの。 「生理に関する貧困」は、生理に関わる出費が難しい貧困状態のことで、ここ数年世界中の国々について話題になっているものです。しかし、それが発展途上国ではなくイギリスのような国にも存在するということ。「生理に関する貧困」によって、収入の低い家庭における女子生徒たちが生理用品を買うためのお金を十分に持てないために授業を休んだり、学校の活動を休んだりせざるを得ない状況を作っていると指摘されています。調査ではイギリスの14歳から21歳の女性の10人に1人が「生理用品を買うお金がない」貧困状態にあり、その場合に代用品(ニュースでよくでるのは古布や靴下や紙)で生理期間をしのがないとならない。つまり生理のたびに学校を毎月何日も休まないとならない生徒がいるのです。また、そういった「お金が足りずに生理用品を節約したり買えず代用品を使った」経験をしたことがある女性は約半数にも上るということ。 考えてみれば「無料で手に入る生理用品」がある場所ってないですし、出先では「どこに行けば生理用品がすぐに手に入るか」わからない状況が星の数ほどあります。そんなパニック経験に陥ったことがない女性のほうが少ないのではないかと思います。お金持ってる持たないにかかわらず、生理用品へのフリーアクセスは必要でしょう。 スキームの実施後は、校内のトイレなどでいつでも生理用品が自由に手に入る状態になるようです(フードバンクやシェルターなどにももちろん置かれるようです)。配布される製品には、使い捨ての一般的な製品だけに留まらず環境に配慮した製品や、リニューザブル製品(生理カップや布ナプキンなど)なども対象になるようです。ただし購入・提供するのは学校なので団体によって対応に違いはあるかもしれません。 今回のスキームで使われる予算(イングランド)は2020年に2000万ポンド(20m pounds, 日本円で28億円!? ちなみにウェールズは330万ポンド)とのこと。対象となる生徒と学生は170万人なので1人あたり1600円程度に過ぎません。イギリスは日本より物価が高いですが、インタビューに答えている若い女性が「毎月5ポンド(700円)くらいかかるのだから…」みたいな発言をしていたのですが、若い人だったらあながち多すぎる勘定ではないように思います。ハフィントンポストのある記事によれば、一生のうちに生理のために1万8千ポンド(260万円)ちかくも費やす必要があるとか。もし全員に十分な生理用品を与えるとしたら2〜3回分の程度の予算程度でしかないのです。それでも10人に1人の女性が学校に行けなくなる状況から救うとしたらなんとかなる予算だと思うので、本当に必要な場所にきちんと届き、役立つシステムになっているといいなと思います。 この報道はイングランドでの話ですが、実は2018年にスコットランドではいちはやく無料配布が始まっていました。ウェールズでもすでに実現しており、イングランドはイギリス国内のカントリーとしては3番目になるようです。 日本ではあまり採り上げられていないイギリスでのすばらしい取り組みだと思いますが、この法案が通るにあたって「製品をタダで配る」だけでなく「月経に関するすべてのスティグマを破壊し、月経について知り、話せることも啓蒙する」という点もすばらしいです。 これまでも何度かこの話題に関するニュースを耳にしていましたが、あるときショックだったのはキャンペーンについて説明する官僚の女性が当事者だった経験があるということでした。彼女の場合はひとり親が父親で生理用品がどれだけ必要かということも言い出せずに十分に買うことができなかったと。学校や友達などでも生理について相談することができない状況のため、同様な問題が、低収入家庭を中心にいまも続き、状況はむしろ悪化したそうです。BBCラジオのWoman's Hourだったと思うのですが、類似エピソードはこちらから。 ニューヨーク市やフランスでも同様の施策を2019年にスタートさせたようですが、ひとつの疑問は日本には必要ないのか?ということ。スティグマがある日本で、本当に「生理の貧困」が存在しないのか、気にかかるところです。それとも、日本は服も食べ物も特別安く買えるから、「見えない貧困」の中でも生理用品も安く、心配せずに済むのでしょうか?            

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